前回のVol.2では、「面にポイントを散りばめて、そこに別オブジェクトを並べる方法(インスタンス配置)」を学びました。これだけでも静止画としては賑やかなシーンが作れますが、せっかくならそれらを生き物のように動かしてアニメーションにしてみたいですよね。
「アニメーション=骨組み(ボーン)を入れてキーフレームを打つ」というイメージがあるかもしれませんが、ジオメトリノードなら数式ノードを数個繋ぐだけで、数百〜数千個のオブジェクトを一括でゆらゆら動かしたり、回転させたりできます。
今回はBlender 5.2の日本語メニューの正確な配置に沿って、「メニューのどこをクリックしていけば目的のノードが出せるのか」を一切迷わない形で解説します!
ジオメトリノードでオブジェクトを動かす仕組み
手作業で数百個の球体にアニメーションをつけるのは大変な作業ですが、ジオメトリノードでは「場所(位置)や回転の数値を時間経過とともに変化させる」だけで自動化できます。
動かす仕組みは主に以下の2つの考え方に分かれます。
- 全体を一括でゆらゆら動かす(ノイズテクスチャ + シーンタイム)
- 個別に回転させたり向きを変えたりする(インスタンス回転 + シーンタイム)
今回は、最もインパクトがあり汎用性の高い「ノイズを使って波のようにゆらゆら動かす方法」と「回転させて動きをつける方法」を作成していきましょう!
【実演】配置したオブジェクトを自動で動かしてみよう!
前回のVol.2で作成した「立方体の表面にUV球が大量配置されたノードツリー」が手元にある状態からスタートします。
STEP 1|位置をずらす準備(位置設定ノードの追加)
まず、配置した球体それぞれの「位置(座標)」をノードでコントロールできるようにします。
1. 位置設定ノードを追加する
- ノードエディター上で
Shift + Aキーを押します(または画面左上の「追加」メニューをクリック)。 - メニューから、
[ジオメトリ]➔[書き込み]➔[位置設定]の順に選択してクリックします。 - 追加された 「位置設定」 ノードを、「ポイントにインスタンス配置」 と 「グループ出力」 の間を結ぶ線の上に重ねて左クリックで配置します。
この「位置設定」ノードの「オフセット」という項目に数値を送ることで、配置された球体たちの場所を自由に変えられるようになります。
STEP 2|うねるような有機的な動きを作る(ノイズ + シーンタイム)
次に、ランダムでなめらかな動きを作り出す 「ノイズテクスチャ」 と、Blenderの再生時間を取得する 「シーンタイム」 を組み合わせて動かします。
必要な3つのノードを正確なメニュー位置から出していきましょう。
1. ノイズテクスチャを追加する
Shift + Aを押します。[テクスチャ]➔[ノイズテクスチャ]を選択して配置します。- ノイズテクスチャの上部にある「3D」という表示をクリックし、「4D」 に変更します。(これで時間の経過を制御する
Wという項目が現れます)
2. シーンタイムを追加する
Shift + Aを押します。[入力]➔[シーン]➔[シーンタイム]を選択して配置します。
3. 数式(乗算)を追加する(スピード調整用)
Shift + Aを押します。[ユーティリティ]➔[数式]➔[数式]を選択して配置します。- 追加した「数式」ノード内の「足し算」と書かれているプルダウンをクリックし、「乗算」 に変更します。
4. ノード同士を接続する
ノードが出揃ったら、以下のように線を繋いでいきます。
- 「シーンタイム」 の 「フレーム」 出力を、「数式(乗算)」 の上の入力ソケットに繋ぎます。
- 「数式(乗算)」 の下の数値を
0.02に変更します。(※動きのスピードを落ち着かせるための数値です) - 「数式(乗算)」 の出力を、「ノイズテクスチャ」 の 「W」 入力ソケットに繋ぎます。
- 「ノイズテクスチャ」 の 「カラー」 出力を、STEP 1で配置した 「位置設定」 ノードの 「オフセット」 入力ソケットに繋ぎます。
💡 これでどうなる?
キーボードの スペースキー を押してタイムラインのアニメーションを再生してみてください。 立方体の周りに並んだ球体たちが、生き物のようにうねうねとランダムに動き始めます!
STEP 3|回転の動きを追加してさらに賑やかにする
位置が動くだけでなく、並んだオブジェクト自体がくるくると回転すると、さらに表現の幅が広がります。
1. インスタンス回転を追加する
Shift + Aを押します。[インスタンス]➔[インスタンス回転]を選択して配置します。- 「ポイントにインスタンス配置」 と 「位置設定」 の間の線の上に挟むように配置します。
2. 線を接続する
- STEP 2で配置した 「シーンタイム」 ノードの 「秒」 出力を、「インスタンス回転」 の 「回転」 入力ソケットに繋ぎます。
これで再生すると、各球体が時間経過とともにくるくると回転し続けるようになります!
パラメータを調整して動きをコントロールしよう
ノードが組み上がったら、数値を変更して動きの表情を変えてみましょう。
- 動きのスピードを変えたいとき
- 「数式(乗算)」の
0.02という数値を変更します。0.01にすると優しくゆっくり動き、0.1にすると激しく素早く動きます。
- 「数式(乗算)」の
- 波の細かさを変えたいとき
- 「ノイズテクスチャ」ノード内にある 「スケール」 の数値を大きくすると細かく波打ち、小さくするとゆったりと大きくうねります。

よくある質問・トラブルシューティング
Q. 再生ボタンを押しても動きが早すぎる / 遅すぎる
A. 「シーンタイム」直後の「数式(乗算)」の数値を調整してください。フレーム数(Frame)をそのまま繋ぐと動きが早くなりやすいため、0.01〜0.05 程度の小さな値を掛け算するのがポイントです。
Q. オブジェクトが片寄った方向に飛んでいってしまう
A. ノイズテクスチャの出力は 0.0〜1.0 のプラスの数値で出力されるため、一方向に偏って動く性質があります。 偏りをなくしたい場合は、Shift + A ➔ [ユーティリティ] ➔ [ベクトル数式] ➔ [ベクトル数式](機能を「引き算」に変更)をノイズと位置設定の間に挟み、0.5 を引くことで中心を基準に上下左右均等に動くようになります。
まとめと次回予告
今回は、Blender 5.2の最新日本語メニューの正確な配置に合わせて、ジオメトリノードで「配置したオブジェクトを自動で動かす手順」を解説しました。
[ジオメトリ]➔[書き込み]➔[位置設定]= オブジェクトの場所を移動させる[テクスチャ]➔[ノイズテクスチャ]= ランダムな波模様を作る[入力]➔[シーン]➔[シーンタイム]= 時間の経過(フレーム数)を取得する[インスタンス]➔[操作]➔[インスタンス回転]= 向きを時間経過で変える
正しいメニュー階層を知っておくことで、検索窓を使わない場合でもスムーズに必要なノードにアクセスできるようになります。
次回予告(Vol.4)は、「特定のオブジェクトやカメラが近づいた場所だけ反応して大きくなったり弾けたりする『近接エフェクト』の作り方」を解説したいと思います、より高度でインタラクティブな表現が作れるようになりますので、ぜひ楽しみにしていてください。
前のペ-ジを下に表示しています。
Blenderで描く3Dの世界 | haru1960作品集 
